マンスリーメッセージ サンレーグループ社員へのメッセージ 『Ray!』掲載 2026.09

戦争はグリーフの発生装置 「国際死者デー」で世界平和を!

●「国際平和デー」とは何か
 先月は、平和と平等を実現する器としての「平器」についてお話しました。「冠婚葬祭業は平器産業だ!」とも言いました。わたしたちの仕事には、「結婚は最高の平和である」と「死は最大の平等である」という二大理念が込められているのです。今月は、平器産業としての発想から戦争をなくすための方法を考えてみたいと思います。
 9月21日は「国際平和デー」です。10月21日の「国際反戦デー」とは違います。「平和の日」(Peace Day)、または「世界平和の日」(World Peace Day)とも言いますね。記念日の日付は、当初は国連総会の通常会期の開催日である9月の第3火曜日でしたが、2002年(平成14年)からは9月21日に固定されました。「国際平和デー」の目的は、すべての国・全ての人々にとって共通の理想である国際平和を記念し、推進することです。

●日本の「平和の鐘」が鳴る
 国際平和デーは、国連が定めた国際平和を記念・推進する日であり、世界中の人々に対して停戦と非暴力、そして敵対行為の停止を呼びかけ、平和の大切さや尊さを考えるきっかけとなることを目的としています。
 9月21日は国連本部で「平和の鐘」を鳴らす特別行事が行われるほか、世界各地で平和を願う活動が展開されます。
 毎年この日には、国際連合本部で日本の「平和の鐘」が鳴らされます。この鐘は1951年、第6回パリ国連総会で、日本国連協会理事で元愛媛県宇和島市長の中川千代治氏が「国を越え宗教の違いを越えて、平和を願う世界の人々のコインを入れた平和の鐘を造りたい」と当時の国連加盟国に訴え、趣旨に賛同した65ヶ国の代表者からのコインとローマ法王ピオ12世から頂いた金貨9枚を入れて鋳造し、日本国連協会を通して国連に寄贈されたものです。鐘には、「世界絶対平和万歳」と鋳込まれています。

●広島からのメッセージ
 昨年は、世界で初めて核兵器が使用された広島原爆投下から80年目の年でした。広島市が中心となる平和首長会議は全世界に向けて平和を呼びかけるメッセージを発信しました。メッセージを寄せたのは県被団協の理事長や次代を担う若者など広島で平和活動に取り組む団体の方々で、広島から平和への思いを世界へ発信し平和について考えてほしいと平和首長会議が制作したのです。
 広島では2012年から、平和首長会議の主催で被爆者や高校生などが平和公園で記念の集会を開いてきましたが、高齢化する被爆者の健康面も配慮し集会に替わる、より波及効果の高い取組みを模索しました。昨年から新たに世界に向けたメッセージを発信することになったそうです。
 わたしは、「国際平和デー」は素晴らしい活動だと思います。特に、世界で初めての被爆国であり、現在のところは唯一の核兵器が使われた国でもある日本の「平和の鐘」が鳴らされることに大きな意義を感じます。

●「国際死者デー」の提案
 明仁上皇陛下は6月23日の「沖縄慰霊の日」、8月6日の「広島原爆の日」、8月9日の「長崎原爆の日」、8月15日の「終戦の日」を日本人として決して忘れてはならない日と述べておられます。
 終戦80年の昨年、わたしは沖縄・広島・長崎を訪れ、祈りを捧げることができました。「終戦の日」だけは父の初盆があったため、残念ながら東京に行けませんでした。
 「国際平和デー」は人類の存続に不可欠な記念日ですが、わたしは、その前日にも記念日を置いてはどうかと思います。ずばり、「国際死者デー」です。
 9月の日本には「秋彼岸」がありますが、他にも「春彼岸」や「盆」といった死者を想う日があります。世界には、キリスト教圏の「ハロウィン」やメキシコの「死者の日」といった死者のための日もあります。それらの共通の日として、9月20日を「国際死者デー」とすればいいと思うのです。
 なぜなら戦争の本質とは「死者の大量発生装置」であり、すなわち「グリーフの大量発生装置」だからです。「グリーフケアが普及すれば、最大の戦争抑止力になる」というのはわが持論であります。順番からいうと、死者の追悼を経ての平和の記念日ではないでしょうか。最初に国際的に戦争犠牲者をはじめとする死者を追悼してから、その翌日、世界中の人々が平和の祈りを捧げると良いでしょう。

●死者を忘れてはならない
 わたしたちは、死者を忘れてはなりません。それは死者へのコンパッションのためだけではなく、わたしたち生者のウェルビーイングのためでもあります。映画「リメンバー・ミー」から発想された「リメンバー・フェス」は、なつかしい亡き家族と再会できる祝祭ですが、都会に住んでいる人が故郷に帰省して亡き祖父母や両親と会い、久しぶりに実家の家族と語り合う祝祭でもあります。
 そう、それは、あの世とこの世の誰もが参加できる祭りなのです。国や人種や宗教や老若男女といった何にもとらわれない共通の言葉として、わたしは「リメンバー・フェス」という言葉を唱えていますが、新たに「国際死者デー」の設定を提案いたします。今年は9月25日にサンレーグランドホールで開催されますが、その延長線上に「国際死者デー」があります。
 もうすぐサンレーの平器が100となりますが、儀式が行われる平器の願いとは、世界平和と人類平等です。この素晴らしい仕事に誇りを持って、日々の業務に励んでいただきたいと思います。

 戦とは悲しみを生む器なり
  亡き人しのび平和祈らん  庸軒