情報力を身につけ こころの時代を創造しよう!
●ウェブによる情報発信
先月よりコラムの新連載をスタートしました。掲載先は新聞でも雑誌でもなく、ウェブです。毎日新聞グループの「毎日JP」が運営するポータルサイト「毎日@葬儀 風のあしあと」です。
「毎日JP」は新聞社サイトでは2年連続で、日本一のニュースサイトです。ヤフーとニュース配信で提携しているので、月間で1億8,000万ページビュー、月間訪問者数が約1,700万人というから、大したものですね。
さらに、「毎日JP」(トップページ)からの誘導アクセスが見込まれます。
現在「毎日@葬儀 風のあしあと」は月間6万超のアクセス(一日2,000~4,000アクセス)で、「毎日JP」との連動企画や様々な情報コンテンツを発信しています。
すべての葬儀、斎場などについての概算検索数は月間約67万回だとか。一日で2万回超ですから、すごいですね。
●ますます進化する情報社会
いま、情報社会がますます進化しています。たとえば、グーグルによる書籍の電子データ化や、アマゾンによる電子書籍端末「キンドル」の発売がはじまり、書籍の世界に大きな変化が起きようとしています。
特にグーグルのブック検索については米国内をはじめ欧州各国からも異論が噴出し、もはや一企業による文化産業という枠をはるかに超えて、政治問題化する気配もあります。
「キンドル」というのは電気的に画面を書き換える電子ペーパーで、書籍のみならず新聞や雑誌の命運をも握っていると言われます。キンドルには厚めの小説でも簡単に取り込め、それも1,500冊も保存できるのです。いわば、音楽データを簡単に取り込む「i―Pod」の書籍版ですね。
書店と読者が直接、しかも24時間つながることができるわけです。しかも、自分専用の携帯書庫にもなるという夢のような話です。
●グーグルとヤフー
いまやインターネット検索システムが社会的に大きな力を持つようになりました。広告においても、テレビや新聞などよりネット検索で上位に出る「SEO」の重要性が叫ばれています。グーグルやヤフーの影響力は肥大化する一方と言えるでしょう。
まさに、時代は「グーテンベルクからグーグルへ」と変化しています。しかし、わたし個人は、グーグルという検索システムには不信感を持っています。ヤフーと比べてみると、ヤフーのほうに絶対的な安心感があります。
というのは、グーグルで検索したときに上位で拾うものには、得体の知れない匿名ブログの類が多いことです。しかも、きわめて悪意に満ちた誹謗中傷的な内容のものまで平然と拾っている。きちんとチェックを経た言説である新聞社などのウェブ記事よりも、根拠も明らかでない匿名ブログの言説を同等か、それ以上に扱うというのは、どう考えてもおかしいと思います。
一方、ヤフーの場合は、その意味での情報の序列というものがきちんとなされています。ヤフーというのは、サイトやブログの歴史などを考慮し、それが検索順位に反映されるように思います。いわば、年功序列を取り入れているわけですね。
●ネットにも「礼」が必要
つまり、ヤフーの検索システムには「礼」があるわけです!
ヤフー・ジャパンの場合はヒューマン・パワーだそうです。グーグルの場合はロボットが検索フレーズを拾うと聞きましたが、やはりロボットの作業には「礼」を感じません。
もちろん、インターネットを使う限りは、グーグルの世話にならずにはいられません。また、わたしが信頼を寄せるヤフーそのものがグーグルを意識しながら作られていくことも知っています。それでも、グーグルがヤフーの良い面を取り入れて、「礼」を重んじてくれることを、わたしは願っています。
疑いなく、現代は高度情報社会です。
ドラッカーは、早くから社会の「情報化」を唱え、後のIT革命を予言していました。ITとは、インフォメーション・テクノロジーの略です。ITで重要なのは、言うまでもなくI(情報)であって、T(技術)ではありません。
●本当の情報とは何か では、そもそも情報とは何か。
技術、つまりコンピューターから出てくるものは、過去のものにすぎません。ドラッカーは、IT革命の本当の主役はまだ現れていないと言いました。本当の主役、本当の情報とは何でしょうか。
日本語で「情報」とは、「情」を「報(しら)」せるということです。「情」は今では「なさけ」と読むのが一般的ですが、『万葉集』などでは「こころ」と読まれています。
わが国の古代人たちが、求愛の歌、死者を悼む歌などで、自らの「こころ」を報せたもの、それが『万葉集』だったのです。
すなわち、情報の「情」とは、心の働きに他なりません。本来の情報とは、心の働きを相手に報せることなのです。そう、「思いやり」「感謝」「感動」「癒し」などをお客様に伝えることですね。
ハートフル・ソサエティは「ポスト情報社会」などではなく、新しい、かつ本当の意味での「リアル情報社会」です。そして、冠婚葬祭業こそ「リアル情報産業」なのです。
さらに情報力を身につけて、大いなる「こころ」の時代を創造しましょう!
うわつらの情報など求むより
情報せることを知るべし 庸軒