マンスリーメッセージ サンレーグループ社員へのメッセージ 『Ray!』掲載 2019.01

平成最後、新元号最初の年、互助会のアップデートをめざそう!

●新しい時代を迎えて
あけましておめでとうございます。
今年は平成の最後の年です。今年の4月30日に今上天皇は退位され、翌5月1日に改元となります。新しい時代の訪れで、あらゆるものが変化することでしょう。
冠婚葬祭互助会においても例外ではありません。互助会は相互扶助精神を活動の基本理念としながらも、そこには一方で経営体としての消費者保護への責任がなければなりません。そのためには適正利潤を求めながら、それを消費者に還元する方法が講じられなければなりません。それは施行時における付加価値と言ってもよいでしょう。
互助会の母体となる企業がしっかりしているからこそ、会員様は毎月の掛金を掛け、必要時に役務を提供してもらうことができるのです。これは会員と互助会の信頼関係以外の何ものでもありません。

●互助会の使命とは
いつ発生するかわからない結婚式と葬儀の2大儀式を中心に前受金を積み立てていく。金額の多寡ではありません。預ける側も預かる側も、そこに社会的責任と信頼がなければこの事業は決して成功しません。
会員が増えれば、当然ながらプールされる金額も当然増加します。その金額の全てが会員の預かり金だと自覚しなければ、互助会はとうの昔に指弾の対象になっていたことでしょう。
公共性・福祉性の高い互助会事業に携わる者は、一私企業の利潤追求とは違い、社会への奉仕者としての誇りを持つべきです。掛金を掛けて下さる会員様に対して冠婚葬祭の施行という役務提供をすること、これが一般に考えられる互助会の使命なのです。
さらに、もっと大きな視点から互助会の使命というものを考えてみたいと思います。

●冠婚葬祭互助会とは何か
そもそも、冠婚葬祭互助会とは何でしょうか。互助会はその名の通り、「相互扶助」そのものをコンセプトとした会員制組織です。終戦直後に横須賀市で生まれ、全国に広まっていきました。その歴史は70年ほどですが、実はきわめて日本的文化に根ざした「結」や「講」にルーツはさかのぼります。
「結」とは、奈良時代からみられる共同労働の時代的形態で、特に農村に多くみられ、地域によっては今日でもその形態を保っているところがあります。
一方、「講」とは、「無尽講」や「頼母子講」のように経済的「講」集団を構成し、それらの人々が相寄って少しずつ「金子」や「穀物」を出し合い、これを講中の困窮者に融通し合うことをその源流としています。
この「結」と「講」の2つの特徴を合体させ、近代の事業として確立させたものこそ、冠婚葬祭互助会というシステムなのです。

●新型サービスの提供
日本的伝統と風習文化を継承し、「結」と「講」の相互扶助システムが人生の2大セレモニーである結婚式と葬儀に導入され、互助会は飛躍的に発展してきました。
その互助会が提供するサービスは、今や結婚式や葬儀だけではありません。出産祝い、宮参り、百日祝い、お食い初め、七五三、誕生会、入学祝い、成人式、卒業式、謝恩会、結納、結婚周年祝い、定年退職祝い、長寿祝い、厄払いの会、快気祝い、お彼岸、お盆、法事・・・など、人生の通過儀礼および家族の慶弔にかかわる年間行事にまで、その視野は広まりつつあります。
結婚式・葬儀以外のそれらの新型サービスを会員のニーズやウオンツをつかんでそれを形にしたとき、冠婚葬祭互助会は新しい共同体としての姿を浮き彫りにできるように思います。
いま、七五三も成人式も結婚式も、そして葬儀も大きな曲がり角に来ています。現状の冠婚葬祭が日本人のニーズに合っていない部分もあり、またニーズに合わせすぎて初期設定から大きく逸脱し、「縁」や「絆」を強化し、不安定な「こころ」を安定させる儀式としての機能を果たしていない部分もあります。

●アップデートする互助会
いま、儀式文化の初期設定に戻りつつ、アップデートの実現が求められています。
「無縁社会」が叫ばれ、生涯非婚に孤独死や無縁死などが問題となる中、冠婚葬祭互助会の持つ社会的使命はますます大きくなります。いまや全国で2000万人を超える互助会員のほとんどは高齢者であり、やはり孤独死をなくすことが互助会の大きなテーマとなっているのです。
わが社が行っている「隣人祭り」をはじめとした隣人交流イベント、グリーフケア・サポート、さらには見回りや買い物支援など、そして婚活サポートなども互助会に求められてきます。
「アップデートする互助会」について、わたしは以下のように考えます。
■ 互助会1.0(結や講といった日本的相互扶助システム)
■ 互助会2.0(戦後に横須賀で誕生し、全国で発展した冠婚葬祭互助会)
■ 互助会3.0(無縁社会を乗り越えて、有縁社会を再生する互助会)
■ 互助会4.0(結婚をプロデュースし、孤独死や自死をなくす互助会)
この互助会4.0の目指すところは「結婚は最高の平和である」「死は最大の平等である」というわが社の理念の実現です。「結婚をプロデュースする」とは、いわゆる「婚活」のことですが、もともと、夫婦こそは「世界で一番小さな互助会」であると言えます。これらを実現することこそ、わが社の大きなミッションです。
相互扶助の心と人生を肯定する冠婚葬祭は永久に不滅です。新しい時代を高い志で切り拓いてゆきましょう!

新しき時代迎へて助け合い
儀式が拓くこころの未来  庸軒