マンスリーメッセージ サンレーグループ社員へのメッセージ 『Ray!』掲載 2023.06

ウェルビーイング&コンパッション 幸せを求め、思いやりを実践しよう!

●WCツインブックスの刊行
 この6月、『ウェルビーイング?』と『コンパッション!』(ともに、オリーブの木)がついに刊行されます。前者のサブタイトルは「個人・企業・社会が求める『幸せ』とは」で、京都大学名誉教授の鎌田東二先生推薦。後者のサブタイトルは「老い・病・死・死別を支える『思いやり』」で、東京大学名誉教授の島薗進先生の推薦となっています。
 両先生の推薦文はそれぞれの帯に記載されます。まことに光栄なことです。さらには、「日本経済新聞」の一面に書籍広告が掲載されることが決定しました。反響が今から楽しみですが、四十年前から『ウェルビーイング』を追求し、『コンパッション』に行き着いたわが社の思想や活動が多くの方々のヒントになることを願っています。

●ウェルビーイングの追求
 いま、「ウェルビーイング」が時代のキーワードになっていますが、その定義は「健康とは、たんに病気や虚弱でないというだけでなく、身体的にも精神的にも社会的にも良好な状態」というものです。
 わが社の佐久間進会長はまだ誰も注目していない四十年前に、わが社の経営理念として、また社会理念として「ウェルビーイング」を掲げていました。創立20周年のバッジにも、社内報にも「ウェルビーイング!」の文字が踊っています。本当に驚くべきことです。
 國學院大學で日本民俗学を学び、その後はYMCAホテル専門学校でサービスの実務を学んだ会長は、「冠婚葬祭」や「ホスピタリティ」に強い興味を抱き、これを自身のライフワークにすると決めました。
 そして、「心身医学の父」と呼ばれた九州大学名誉教授の池見酉次郎先生との出会いから、「ウェルビーイング」という人間の理想にめぐり合ったのです。

●「ハートフル」のルーツ
 わたしも当時はサンレー社長であった会長から、「ウェルビーイング」の考え方を学んできました。また、その実現方法についても会長と語り合ってきました。
 結果、わたしの一連の著作のキーワードにもなった「ハートフル」が生まれ、わたしなりに経営および人生のコンセプトにしてきました。「ハートフル」のルーツは、まさに「ウェルビーイング」だったわけです。
 いま、「ウェルビーイング」は、「SDGs」の次に来る人間の本質的な幸福を目指すコンセプトしてクローズアップされています。そして、その次に注目されるであろうキーワードが「コンパッション」です。
 「コンパッション」という言葉を教えていただいたのは、公私にわたってご指導をいただいている東京大学名誉教授の島薗進先生です。わたしは「コンパッション」という言葉を知ったとき、「これだ!」と思わず叫んでしまうほどの衝撃を受けました。
 島薗先生は「コンパッション都市」という考えを示されました。老い、病、死、死別を支える「悲しみの共同体」のことで、まさに互助会の究極の目標だと思いました。

●CSHWのハートフル・サイクル
 直訳すれば「思いやり」ですが、「コンパッション」という言葉が内包している大きさは「思いやり」を超えるものでした。キリスト教の「隣人愛」、儒教の「仁」、仏教の「慈悲」、神道の「あはれ」など、人類がこれまで心の支えにしてきた思想にも通じます。
 わたしは当初、コンパッションを「ウェルビーイング」を超えるものと位置づけ、『ウェルビーイングからコンパッションへ』という本を書こうと思いました。ところが、深く学べば学ぶほど、「コンパッション」と「ウェルビーイング」は陰と陽というか、お互いが補完し合う関係であることに気がつきました。そして、その両方がなければ、社会は良くならないことにも気づきました。結果、わたしは二冊の双子本を書いたのです。
 前にもお話ししましたが、わたしは「CSHW」というものを提唱しています。Compassion(思いやり)→ Smile(笑顔)→ Happiness(幸せ)→ Well‐being(持続的幸福)のハートフル・サイクルです。
 このように「コンパッション(思いやり)」から始まって、「スマイル(笑顔)」、「ハピネス(幸せ)」、そして「ウェルビーイング(持続的幸福)」へ至る「CSHW」のハートフル・サイクルが、今後わが社がコンパッション経営によるコンパッション企業になるための具体的施策と考えています。

●冠婚葬祭の場でCSHWを!
 コンパッションは、わが社が提供するケアやサービスに必要不可欠なものです。真の思いやりをもったケアやサービスは、必ずお客様を笑顔にしていきます。そして、笑顔となったお客様は当然、幸せな気持ちになります。同時にお客様を笑顔にすることができた社員自身も幸せを享受することができるのです。
 幸せの場である婚礼のシーンではもちろんのこと、ご葬儀においても「大切なあの人をきちんとお見送りすることができた」と、笑顔になり、スタッフへ感謝の言葉をかけてくださるご遺族が多くいらっしゃいます。つまり、コンパッション・ケア、コンパッション・サービスはお客様にも提供者にも笑顔と幸せを広げていくことができるのです。
 CSHWのハートフル・サイクルは、かつて孔子やブッダやイエスが求めた人類救済のための処方箋となる可能性があるのではないか?そんなことさえ考えています。人は「幸せ」を求め、そのためには「思いやり」が欠かせません。あとは、実行あるのみです。がんばりましょう!

 自らの幸せ求め 他人への
  思ひ忘れず 心ゆたかに  庸軒