マンスリーメッセージ サンレーグループ社員へのメッセージ 『Ray!』掲載 2022.9

コロナ後のキーワード

  ウェルビーイングとは何か?

●SDGsからウェルビーイングへ
 時代のキーワードというものがあります。「ウェルビーイング(well−being)」という言葉を聞いたことはありますか?  
 現在よく聞くのは「SDGs(Sustainable Development Goals)」という言葉ですが、これは「持続可能な開発目標」という意味で、国連で採択された「未来のかたち」です。
 SDGsは健康と福祉、産業と技術革新、海の豊かさを守るなど経済・社会・環境にまたがる17の目標があり、2015年の国連総会で全加盟国が合意しました。そして、2030年までにそのような社会を実現することを目指しています。SDGsは、2030年までという期間限定なのです。
 では、それ以降のキーワードはというと、「ウェルビーイング」になると言われています。意味は、「幸福な存在、相手を幸福にする存在」ということになります。

●ウェルビーイングとは何か
 ウェルビーイングは、WHO(世界保健機構)憲章における、健康の定義に由来した思想である。その定義とは、「健康とは、たんに病気や虚弱でないというだけでなく、身体的にも精神的にも社会的にも良好な状態」というものです。しかし従来、身体的健康のみが一人歩きしてきました。
 ところが、文明が急速に進み、社会が複雑化するにつれて、現代人は、ストレスという大問題を抱え込みました。ストレスは精神のみならず、身体にも害を与え、社会的健康をも阻みます。健康は幸福と深く関わっており、人間は健康を得ることによって、幸福になれます。ウェルビーイングは、自らが幸福であり、かつ、他人を幸福にするという人間の理想が集約された思想と言えるでしょう。
 じつは、わが社は36年前から「ウェルビーイング」を経営理念に取り入れてきました。1986年の創立20周年には「Being!ウェルビーイング」というバッジを社員全員が付け、社内報の名前も「Well Being」でした。当時の社長であった佐久間会長の先見の明に驚いています。

●はあとぴん宣言
 36年前の当時は、「ウェルビーイング」という言葉を知っている人はほとんどいませんでした。今まさに「ウェルビーイング」が時代のキーワードになっており、わが社の先見性に驚かれた方も多いようです。
 わたしの処女作『ハートフルに遊ぶ』(東急エージェンシー)の最終章「ライフスタイル」には、「はあとぴあん宣言」という文章が掲載されています。わたしは、1986年(昭和61年)の冬に日本儀礼文化協会発行の「はあとぴあ」の編集長を引き受けることになりました。当時、わたしは大学3年生でした。それまでの「はあとぴあ」は、礼法をはじめとして、茶道、華道、装道などの芸道や、武道や、歌舞伎などの古典芸能といった日本伝統文化を中心にした誌面づくりでした。わたしは、これらの伝統に加えて、いつもオシャレでハッピーな雑誌にしたいと考え、編集方針を一新することにしました。そこで打ち出したのが、「はあとぴあん」というライフスタイルです。

●はあとぴあんはウェルビーイング
 当時、アメリカのエグゼクティヴに“ヤッピー”というライフスタイルがブームとなっており、わたしも「はあとぴあ」の理想をわかりやすくするライフスタイルを提案しようと思い、あれこれ頭をひねったものです。
 わたしは、“ヤッピー”のクールで斜にかまえたようなところが気にくわなかったため、ウェットでストレートな“はあとぴあん”というライフスタイルをイメージしました。
 その新時代のライフスタイルを8つに分けて発表したのが「はあとぴあん宣言」です。8つの中の最初が「はあとぴあんは、ウェルビーイングである」というものでした。21世紀の人間は、身体的健康、精神的健康、社会的健康を総合的に求めるべきであると訴えたのです。考えてみれば、精神的健康とは「グリーフケア」に通じますし、社会的健康とは「隣人祭り」などの隣人交流イベントに通じます。わが社は、ずっと、世の人々の「ウェルビーイング」を実現してきたのです。

●幸せな会社の作り方
 『幸せな会社の作り方』本田幸大著(扶桑社)という本があります。「経営の軸を『幸せ』に捉えれば、すべてが解決する」「社員の幸福度が高まると、業績が上がり、離職率は減る」と唱えています。著者は「ウェルビーイング経営」を「幸福を追求することをビジネスを通して体現する」ことと捉えます。
 現在、考え方や働き方がより多様化し、働き方改革という言葉で新たな生き方が提唱されています。コロナにより、世界、社会、生活が大きく変化しました。
 本田氏は、「どのような『新しい生活様式』になるのか誰にもわかりません。『幸せ』ということや、物事の価値観も大きく変化するでしょう。そうした今、私たちが生まれてきた意味、人間として生きる意味、そして幸せとは何か、といった普遍的なテーマについて、深く掘り下げて考えてみる必要があるのではないでしょうか」と述べています。
 わたしも、ウェルビーイングとは「幸福」の同義語であると思います。冠婚葬祭互助会は、儀式を中心として、会員様に幸福を提供する組織です。さらに、わが社は隣人交流イベントやグリーフケアや温浴事業や介護事業などを通じて、幸福を多角的にプロデュースしてきました。わが社の事業の中核には「ウェルビーイング」があることを自覚して、さらに世のため人のために尽くしたいものです。そして、それはあなた自身が幸せになる道でもあるのです。

 体良く心良ければ人の世で
  幸せになる道を求めん  庸軒