サンレーが生んだ多くの言葉たち いま、礼の言霊を広く発信しよう!
●『心ゆたかな言葉』の刊行
『心ゆたかな言葉』(オリーブの木)が刊行されました。わたしが世に送り出してきた多くの言葉たちを一冊にまとめた本です。
同書には、「死は不幸ではない」「ハートフル」「ハートピア」「ハートビジネス」「ハート化社会」「アンドフル・ワールド」「グランドカルチャー」「ホモ・フューネラル」「カタチにはチカラがある」「結婚は最高の平和である」「死は最大の平等である」「人生の四季」「人生の卒業式」「神は太陽・仏は月」「天上へのまなざし」「魂のエコロジー」「映画は、愛する人を亡くした人への贈り物」「礼法は最強の護身術」「文化の核」「結魂」「送魂」「人類十七条」「有縁社会」「永遠葬」「唯葬論」「気地」「気業」「礼業」「理想土」「老福」「四楽」「宗遊」「修生」「和来」「慈礼」「悲縁」「生きる覚悟・死ぬ覚悟」「儀式なくして人生なし」「こころの世界遺産」「ロマンティック・デス」「リメンバー・フェス」「天下布礼」「人の道」「礼の社」「文化の防人」「月光経営」「S2M」「WC」「GM」「CSHW」「死生観は究極の教養である」といった、わたしが生んだキーワードの数々が並べられ、詳しく説明されています。
●すべては「ハートフル」から始まった!
『心ゆたかな言葉』の帯には、「すべては『ハートフル』から始まった!!」「礼の言霊。」と書かれ、「暗闇の中にあっても、まことの言葉は光り輝くのだ。」「有縁社会への祈りのマントラの書――本書の真言が、先行きの見えない薄明の力強い灯明になると確信する。」という京都大学名誉教授で宗教哲学者の鎌田東二先生の推薦の辞が紹介されています。
同書の扉の中央には「わが先考 佐久間進に捧げる」と書かれ、続いて「2024年9月20日の朝、父・佐久間進が旅立った。行年90歳で堂々と人生を卒業していった父は、國學院大學で国学や日本民俗学を学び、冠婚葬祭互助会を生業とした。父は生前に多くの言葉を遺した」と書かれています。
亡くなった父親のことを「先考」といいます。父である佐久間名誉会長はまさにわたしが考えていたことを先に考えていた人でした。その考えはスケールが大きく、かつ具体性に富んでいました。そして、そこには常に、人が助け合い、支え合う「互助共生社会」のビジョンがありました。
●応用国学者にして臨床国学者
同書の序文「礼の言霊」では、言霊研究の第一人者でもある鎌田先生が、「一条真也の造語感覚は父親譲りである。父である故佐久間進氏(1935~2024)は起業家の草分けである。日本に『互助会』という冠婚葬祭の新しい講組織のような新鮮でニーズに叶ったかたちを作り上げた。それは一つの社会運動でもあり、ビジネス展開であり、本書の著者一条真也氏が提唱する『ハートフル』、『ハートピア』、『ハートビジネス』、『ハート化社会』や『有縁社会』の実践でもあった。その意味で、一条真也氏の最大最高の先駆形は父佐久間進氏であった」とも書かれています。
佐久間進名誉会長は、生前に多くの言葉を遺しました。「何事も陽にとらえる」「礼経一致」「最高の満足 最適な利益」「対話こそ人生」「感謝と笑顔と思いやり」「太陽はまた昇る」「人類愛に奉仕する」「八美道」などが代表ですが、鎌田東二先生は、「折口信夫が理論国学者なら、佐久間進は応用国学者ないし臨床国学者である」と言われました。わたしも、そう思います。
●国学→日本民俗学→互助会
本居宣長や平田篤胤らに代表される国学が「日本人とは何か」を問う学問なら、柳田國男や折口信夫らに代表される日本民俗学は「日本人を幸せにする方法」を問う学問です。そして、冠婚葬祭互助会はその学びを実践するものでした。すなわち、国学→日本民俗学→冠婚葬祭互助会と、アップグレードしていったと言えるでしょう。
生前の名誉会長は「互助会は日本人によく合う」と常々語っていました。また、「互助会には無限の可能性がある」、さらには「互助会こそが日本を救う」という信念を持っていました。
最近では「互助共生社会」という言葉を使い、未来に向けた新たな社会像を描いていました。それは、わたしが長年提唱し続けてきた「ハートフル・ソサエティ」にも通じるものです。まさに「先考」です。
現在、冠婚葬祭事業の未来に対して悲観的な意見を述べる人も少なくありません。しかし、名誉会長は「冠婚葬祭こそが、互助共生社会を築き、日本を救う力になるのだ』と、常に確信をもって語っていました。
●冠婚葬祭は日本文化の集大成
冠婚葬祭とは「こころ」を「かたち」にする文化です。名誉会長は、小笠原流礼法をはじめ、茶道や華道にも精進していましたが、「冠婚葬祭こそ総合芸術であり、日本文化の集大成である」と考えていたのです。
58年前、佐久間名誉会長は万人に太陽の光のように等しく冠婚葬祭のサービスを提供したいと願って、サンレーを創業しました。その想いは現在も生き続けています。肉体は滅んでも、名誉会長の言葉は残っています。言葉は生命そのものです。わたしをはじめとしたサンレーグループ社員の心の中に名誉会長の言葉が生き続ける限り、佐久間進の精神は永久に不滅です!
名誉会長の「冠婚葬祭で、日本人を幸せにする」という大きな目標に向かって、「創業守礼」の精神を受け継ぎながら、これからも歩み続けてまいります。日本の未来に太陽光線のように希望の光を灯す、その日まで決して諦めることなく、名誉会長の教えを実践し続けていく覚悟です。
先考の言葉を受けて新しき
時代(とき)に合わせし礼の言霊 庸軒