マンスリーメッセージ サンレーグループ社員へのメッセージ 『Ray!』掲載 2016.01

いよいよ創立50周年の年 わが社の天命を知ろう!

●創立50周年の年

 今年11月18日に、わがサンレーはいよいよ創立50周年を迎えます。それを記念して「サンレー文化アカデミー」をスタートし、五木寛之講演会、東京ノーヴィーレパトリーシアターによる演劇「古事記」上演など、多くの企画が目白押しです。
 また、大規模なシルバーカラオケ大会やグランドゴルフ大会などを企画しています。さらには、今年も多くの「隣人祭り」を中心とした隣人交流イベントの開催をサポートしてゆく予定です。すべて「無縁社会」から「有縁社会」へ進路変更する試みです。
 50年前、つまり1966年はイギリスで音楽革命を起こしたビートルズが来日して、空前の大ブームを巻き起こしました。その影響で日本には多くのグループサウンズが生まれ、若者たちの間では長髪が流行しました。
 アメリカでは大衆文化の革命を起こしたウォルト・ディズニーが亡くなり、中国では毛沢東がその名も「文化大革命」を起こしました。そんな年に誕生したわがサンレーは、日本で冠婚葬祭の文化大革命を起こすという志をもって船出したのです。
●礼を追求した半世紀
 わが社は、この半世紀にわたって「礼」を求めてきました。 「創業守礼」の礼であり、「天下布礼」の礼です。わが社のミッションである「人間尊重」とは、すなわち「礼」のことです。冠婚葬祭の根本精神です。
 50年前に中国で「文化大革命」が起こったと言いました。そのとき、「批林批孔」運動が盛んになり、孔子の思想は徹底的に弾圧されました。世界から「礼」の思想が消えようとしていたのです。まさに、そのとき日本でサンレーが誕生したわけです。とても運命的なものを感じます。
 人間ならば50歳という年齢を「知命」と呼びます。『論語』に由来する言葉ですが、「為政篇」には次の有名な言葉が出てきます。
 「われ十五にして学に志し、三十にして立つ。四十にして惑わず。五十にして天命を知る。六十にして耳従う。七十にして心の欲する所に従って矩を踰えず」
 ここで「50歳で自らの使命を知った」とあるのです。会社もまた50周年を迎えて、自らの使命を再確認する必要があります。
●「命」とは何か
 そもそも「命」とは何でしょうか。
 陽明学者の安岡正篤は言いました。何でもないことのようで、実は自分を知り、自力を尽くすほど難しいことはない。自分がどういう素質能力を天から与えられているか、それを称して「命」と呼ぶ。それを知るのが命を知る「知命」である。知ってそれを完全に発揮していく、すなわち自分を尽くすのが「立命」である、と。
 『論語』の最後には、命を知らねば君子でないと書いてあります。これは厳しく正しい言葉です。命を立て得ずとも、せめて命を知らなければ立派な人間ではないというのです。
 安岡によれば、命とは先天的に人間に与えられている性質能力です。いかようにも変化するもの、すなわち動きのとれないものではなく、動くものであるという意味において「運命」とも言います。運は「めぐる」「うごく」という文字なのです。
●ミッションが企業価値を高める
 「ミッション・マネジメント」という言葉があります。 「ミッション」という言葉は、もともとキリスト教の布教を任務として外国に派遣される人々を意味する言葉でしたが、現在はより一般的に、何らかの任務を担って派遣される使節団やそうした任務のもの、あるいは「社会的使命」を意味するようになってきています。
 ミッション経営とは、社会について考えながら仕事をすることであると同時に、顧客のための仕事を通して社会に貢献することです。すなわち、顧客の背後には社会があるという意識を持つ経営のことです。
 ミッションが企業価値を高める時代になってきました。目の前の利益だけを追い求める企業よりも、社会的使命としてのミッションの意識を明確に持って活動する企業が顧客と社会によって高く評価され、発展していくことになります。その意味で、ミッションとは企業の命そのものと言えるでしょう。
●「S2M」という命
 ミッションを意識するのは、社長などのトップ・リーダーだけではありません。その企業の活動に携わる社員全員が共有すべきものがミッションです。
 経営学者のドラッカーは「仕事に価値を与えよ」と述べていますが、これはとりもなおさず、その仕事の持つミッションに気づくということ。わが社は冠婚葬祭互助会事業を営む企業ですが、わたしは、この仕事くらい価値のある仕事はないと心の底から思います。
 ミッションを明確に成文化して述べたものが「ミッション・ステートメント」です。
 わが社では、2001年11月18日の35回目の創立記念日より、「S2M宣言」を導入し、大ミッションを「人間尊重」、小ミッションを「冠婚葬祭を通じて、良い人間関係づくりのお手伝いをする」と定めました。
 具体的なステートメントとして、「サンレー・トゥー・メンバーズ」から「ストレート・トゥー・ミッション」まで八つの柱を打ち立てています。現在、各拠点において朝礼の際に唱和し、使命を確認しています。この「S2M」こそ、サンレーの命です。ともに「知命」をめざして歩んでいきましょう!
 新しき年を迎へて知命への
    道をめざしてともに歩まん  庸軒