使命と志のM&A戦略 サンレーのお家芸で必勝宣言!
●昨年のキーワードは「命」
今年から「社長訓示」のページをリニューアルすることにしました。昨年までの文章量を半分以下にし、文字も大きくして読みやすくしました。さらには、小見出しも付けています。
これまで以上に私のメッセージが皆さんの心に届くことを信じております。
さて、昨年一年の世相を表す漢字に「命」が選ばれました。公募によるものですが、秋篠宮ご夫妻に悠仁(ひさひと)さまが誕生するという明るい話題の一方、いじめ自殺など、「命の重みを痛感した年」という理由が多かったようです。
●「命」を知る
しかし、「命」は生命という意味だけではありません。偉大な先哲・安岡正篤によれば、自分を知り、自力を尽くすほど難しいことはないそうです。自分がどういう素質能力を天から与えられているか、それを称して「命(めい)」と呼びます。 それを知るのが、命を知る「知命」です。知って、それを発揮していく、すなわち自分を尽くすのが「立命」です。
『論語』の最後には、命を知らねば君子でないと書いてありますが、これはいかにも厳しく正しい言葉です。命を立て得ずとも、せめて命を知らなければ立派な人間ではない。水から電気も出る。土から織物も薬品も出る。これは水や土の命を人間が知って、命を立てたものです。
自然科学は、この点で大いなる苦心と努力を積んできましたが、命とはかくのごとく先天的に与えられている性質能力ですから、これを「天命」と言えるでしょう。またそれは後天的な修養によって、いかようにも変化することができます。ちょうど、科学の進歩が元素の活用もできるようにです。すなわち、動きのとれないものではなく、動くものであるという意味において「運命」ともいう。運は「めぐる」「うごく」という文字なのです。
●二種類の運命
やはり偉大な先哲・中村天風によれば、運命には二種類あるそうです。すなわち「天命」と「宿命」です。天命は絶対で、宿命は相対的なものです。
もっとわかりやすく表現するなら、天命というものはどうすることもできませんが、宿命というものは違う。宿命は人間の力で打ち開いて行くことができるものです。ところが、現代人にはそれが理解できていない。打ち開くことのできる宿命にぶつかったときでも、それを天命と言う。「自分の努力が足らないことは棚に上げ、どうにも仕方がないと言うのだ」と、天風は大いに嘆きました。
●ミッションとは使命
そして、天から与えられる命は「使命」とも呼ばれます。使命は英語で「ミッション」となり、個人のみならず会社においても「命」そのものです。ドラッカーは「仕事に価値を与えよ」と述べましたが、これはとりもなおさず、その仕事のもつミッションに気づくということに他ならないでしょう。
日頃から言うように、私は冠婚葬祭業ほど価値のある仕事はないと心の底から思っています。そして、当社にはミッションを成文化した「S2M」がありますが、大ミッションは「人間尊重」であり、小ミッションは「冠婚葬祭を通じて、良い人間関係づくりのお手伝いをする」と定めています。
●アンビションとは志
ミッションに並んで大事なものがアンビションです。かつてクラーク博士は「Boys,be ambitious(ボーイズ・ビー・アンビシャス)」と言いました。「少年よ、大志を抱け」の訳語は有名です。つまり、アンビションとは「志」のこと。当社は、「結婚は最高の平和である」と「死は最大の平等である」を合言葉に、結婚式や葬儀の一件一件を通じて「世界平和」と「人類平等」を実現するお手伝いをするという壮大な志を抱いています。
その志を果たすため、当社は「月への送魂」を実施し、将来は「月面聖塔」の建立を計画しています。 動じない月のごとく 月といえば、中国には「風吹月不動」という言葉があります。台風などが来ると、強風に吹き飛ばされた雲が次々に空を走り去っていく。それはまるで月が猛烈な勢いで空を飛んでいるようにも見えるけれども、実際はいかに強風が吹き荒れようとも月は動じません。ただ天体としての運行を淡々と行なっているのみという意味です。
わが社の志、つまり心のベクトルもまさに月に向かっています。どんなに強風に吹かれても動じない月のように、いかなる試練が訪れようとも決して志を曲げない。「風吹月不動」の精神で当社の志を果たしたいと思います。
●本当のM&A戦
冠婚葬祭業界のみならず、あらゆるサービス業は施設展開によるハード戦略の時代を終えようとしています。これからは「ハードよりハート」であり、使命と志を最重要視した「ミッション・アンド・アンビション」のM&A戦略の時代です。その会社の想い、考え方、哲学を見て、お客様が選別する時代に入るのです。
このM&A戦略こそサンレーのお家芸です。ぜひ、この亥年を必勝態勢で駆け抜けていきましょう!
これよりは天からの命(めい)と志(こころざし)
抱いて歩む社(やしろ)の時代 庸軒