財団創立10周年記念行事が開催 サンレーは太陽の核となろう!
●財団10周年記念パネルディスカッション
一般財団法人冠婚葬祭文化振興財団が創立10周年を迎えました。人の一生に関わる儀礼である冠婚葬祭に代表される人生儀礼の文化を振興し、次世代に引き継いで行くための事業を行い、我が国伝統文化の向上、発展に寄与することを目的として、2016年(平成28年)に設立された財団です。現在、わたしが理事長を務めています。
1月20日、財団の創立10周年記念行事が大塚にあるホテルベルクラシック東京で開催されました。まずは15時から記念パネルディスカッションが行われました。
超満員になった記念パネルディスカッションのテーマは「葬儀の力~過去・現在・未来~」です。この分野の研究における第一人者である山田慎也氏(国立民俗博物館 副館長)をファシリテーターにお迎えし、アカデミズムを牽引する女性研究家3人をお招きしました。わたしもパネリストの1人として参加しました。
●儀式とグリーフケアの力
パネルディスカッションの最後に、わたしが発表しました。AIが最新の科学なら、儀式は最古の科学です。儀式には力があります。わたしは、儀式の本質を「魂のコントロール術」であるととらえています。儀式が最大限の力を発揮するときは、人間の魂が不安定に揺れているときです。まずは、この世に生まれたばかりの赤ん坊の魂。次に、成長していく子どもの魂。そして、大人になる新成人者の魂。それらの不安定な魂を安定させるために、初宮参り、七五三、成人式があります。
結婚するとき、老いてゆくときにも不安が生まれます。そのために、結婚式や長寿祝いがあります。そして、人生における最大の不安である「死」には葬儀があります。
古今東西、人間はどんどん死んでいきます。この危険な時期を乗り越えるためには、動揺して不安を抱え込んでいる心にひとつのカタチを与えることが大事であり、ここに、葬儀の最大の意味があります。
このカタチはどのようにできているのでしょうか。昔の仏式葬儀を見てもわかるように、死者がこの世から離れていくことをくっきりとした「ドラマ」にして見せることによって、動揺している人間の心に安定を与えるのです。ドラマによって形が与えられると、心はその形に収まっていき、どんな悲しいことでも乗り越えていけます。つまり、「物語」というものがあれば、人間の心はある程度、安定するものなのです。
また葬儀には、いったん儀式の力で時間と空間を断ち切ってリセットし、もう一度、新しい時間と空間を創造して生きていくという意味もあります。葬儀には、グリーフケアの創造力があります。最後に、財団で運営しているグリーフケア資格認定制度を報告し、わが発表は終わりました。盛大な拍手を頂戴して感激しました。
●わたしが訴えたかったこと
パネリストの発表の後は、発表内容についてパネリスト間での討論がありました。想像していた以上に白熱したディスカッションとなりました。わたしも、儀式とは「文化の核」であり、冠婚葬祭は「冠婚葬祭は日本文化の集大成」であるという自説を披露しました。そして、山田氏から「最後に一言お願いします」と言われましたので、わたしは最新刊の『こども冠婚葬祭』(昭文社)の見本を掲げ、そこに書いた言葉である「『冠婚葬祭』とは、人の一生における大切な節目を祝い、見送り、感謝する日本の文化です。行事のかたちが変わっても、人の心のあたたかさは変わりません。むしろいまだからこそ、礼を尽くし、感謝を伝える時間が大切なのです。冠婚葬祭はみなさんの心をゆたかにし、人生を輝かせてくれます。わたしは冠婚葬祭の大切さを命をかけて伝えていきたいです!」と訴えました。盛大な拍手が起こりました。
●財団創立10周年記念祝賀会
17時半からは財団創立10周年記念祝賀会が開催されました。最初に冠婚葬祭文化振興財団の設立から現在までの変遷を紹介するムービーが流されました。そして、理事長挨拶です。わたしはゆっくりと壇上に向かい、一礼した後、「本日は、一般財団法人冠婚葬祭文化振興財団の創立10周年の記念祝賀会にご出席いただきまして、誠にありがとうございます」と挨拶を述べました。
その後、「昨今では、コミュニティの崩壊、人間同士のつながりの薄れから『無縁社会』などと呼ばれることがあります。しかし、わたしは、無縁社会という言葉はおかしいと思います。社会とは最初から有縁です。1人で生きていける人はいません。この世は、もともと多くの『縁』で満ちており、ただそれが目に見えないだけです。そして、それを目に見せるものこそ七五三や成人式や結婚式や葬儀、そして法事・法要といった冠婚葬祭ではないでしょうか」と述べました。
また、「人間社会にとって冠婚葬祭ほど重要なものはありません。AIが最新の科学なら、儀式は最古の科学です。葬儀をはじめとするさまざまな儀式は、ころころと動いて不安定な人間の『こころ』を安定させる『かたち』です」と述べました。
そして最後に、「今年は午年であります。『午』は太陽が最も高く昇る時刻を表すことから、活力、情熱、行動力の象徴とされています。馬は、前向きなエネルギー、成功、繁栄のシンボルとして日本人に長く親しまれてきました。太陽の光を意味する社名の互助会もありますが、財団も太陽の光のように、日本を明るく照らす活動を行っていきたいと願っております!」と述べたのでした。
その互助会とは、もちろん「サンレー」のことです。サンレーが燃え盛る太陽の核となって、日本社会を明るく照らすことを、わたしは改めて心に誓ったのでした。
太陽の光のごとく世を照らし
天下布礼をさらに進めん 庸軒