平成心学塾 図書篇 ブック・セレクション #054

【人間学】人生と経営

人生と経営

著者:稲盛和夫

出版社:致知出版社

 

現代日本が誇る哲人経営者・稲盛和夫。その「ど真剣」に生きてきた人生の軌跡を本人自らが振り返る。
「みんな一致団結して世のため人のためになることを成し遂げたい」と誓詞血判して京セラを創業した。
「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」を理念として京セラを経営した。
「動機善なりや、私心なかりしか」と自らに問うたあとに、DDIを創業した。
さらに、「世のため人のために尽くすことこそ、人間としての最高の行為である」と信じ、稲盛財団を設立した。
このすべての歩みが、嘘偽りのない稲盛和夫の心の発露であった。まさに、考えることがそのまま同時に行動となっている「知行合一」の人と言う他はない。しかし、著者は言う。自分は聖人君子ではない。放っておけば、「利己」のほうに振りかねない。ただ、それだけに「利他」であろうとして懸命に努力をし、日々精進してきたつもりである、と。
この人は本物である。いや、わたしごときに、この稀代の哲人経営者を語る資格はないだろう。でも、この人が本物中の本物であることだけは、よくわかる。人間として正しいことを追求し、「今後も日々の仕事を通じて、さらに精進を重ね、魂の純化、浄化に努めていきたいと考えている」と堂々と語る著者の奇跡の人生を見よ!人生と経営について考える、すべての人に読んでほしいと心から思う。