平成心学塾 図書篇 ブック・セレクション #014

【おすすめ】中村天風一日一話

中村天風一日一話

編者:中村天風財団

出版社:PHP研究所

 

本書は、日本初のヨガ行者であり、天風会の生みの親でもある中村天風氏の著書の中から珠玉の文章366話を選んで一日一話形式の本としてまとめたものである。中村天風氏の著作を語る上で外せないのは、その波乱万丈の人生である。名門の家系に生まれ、若くして当時死に至る病であった結核を患う。この試練を機に、自分の弱さ、人間の弱さひいては人生について深く考えるようになり、その答えを見つけるため、欧米を遍歴するのである。しかし西洋哲学に限界を感じ、失意の内に帰路についたその途中、カイロにてインドのヨガ行者・聖カリアッパ師と運命的な出逢いを果たす。約二年の修行の後、ついに病を克服し帰国。修行時代に得た悟りから「心身統一法」を完成させ天風会を設立する。著者のモットーはメ積極的に(プラス思考で)生きることモそれには、笑顔は何より欠かせないのだと説いている。人間が生きていく上でいかに『笑い』が重要であるかを述べられている。日本の哲学界で、ひときわ傑出した才能を誇った中村天風氏。その哲学は、天風氏没後も様々な人々に影響を与え続けている。人生の意味を知りたい時、迷いが出た時、辛く悲しい時ノ人生に勇気と光明を与えてくれる、珠玉の作品である。