平成心学塾 図書篇 ブック・セレクション #051

【人間学】坂村真民一日一言

坂村真民一日一言

著者:坂村真民

出版社:致知出版社

 

全国にその詩碑が次々に立てられる宗教詩人・坂村真民の「一日一言」である。
詩人だけあって、さすがに言葉に心魂が宿っている。まさに言霊である。
あまりにも有名な「念ずれば花ひらく」をはじめ、多くの詩が紹介されているが、中には短くて含蓄のあるものも少なくない。
たとえば、「美」という詩。
「うごいているから
うつくしいのだ」
たとえば、「願い」という詩。
「花になろう
実になろう
喜ばれる
人間になろう」
たとえば、「風」という詩。
「ともに
あゆめば

ひかる」
もちろん詩の他にも、「人生とは」とか「詩魂」とか「老いをどう生きるか」とか「月を愛する」などの何度も読み返したくなるエッセイ風の珠玉の言葉も収録されている。
最後に読書についての一言を紹介したい。
「六魚庵独語」と題する次のような詩である。
「よい本を読め
よい本によって己れを作れ
心に美しい火を燃やし
人生は尊かったと
叫ばしめよ」
よい本というのは本書に他ならないと、わたしは思う。