平成心学塾 図書篇 ブック・セレクション #059

【人間学】小さな人生論

小さな人生論

著者:藤尾秀昭

出版社:致知出版社

 

アマゾンといえば知らない人はいない最大のブック・サイトだが、そこに「アイテム別売れ筋ランキング」というのがあって、その中に「人生論に関する売れ筋ランキング」というものがある。これを見てみると、古今東西の人生論が並ぶ中で、本書『小さな人生論』が堂々の1位を飾っている。ちなみに2位にも本書の続編である『小さな人生論2』がランクインしている。
その他の本に目をやると、日本では武者小路実篤、三木清、日野原重明、海外ではショーペンハウアー、デール・カーネギー、トルストイといった、信じられないようなビッグネームによる人生論がずらりと並んでいる。
これらを押さえて1位、2位を独占するとは、かなりすごいことである。というよりも、これは一つの大きな思想的事件でさえある。
これまでに日本語で紹介された世界中のすべての人生論の中で、日本の読者は圧倒的に『小さな人生論』を選んだのだ。瞬間的な順位ではない。もう、わたしが気づいてからずっと、1位の座はこの本の指定席である。
人間学雑誌『致知』の開巻1ページ目にひそかに掲載される一文を集めたのが本書だ。毎月の特集テーマの総括主意ともいうべき一文は、格調の高い達意の文章と、ただならぬ内容の豊かさとで読者の心を魅了してやまない。その筆者こそ、『致知』の編集長にして致知出版社社長の藤尾秀昭その人である。
本書は、人間学の追求に半生をかけてきた人間・藤尾秀昭による求道の記録なのだ!