『人生と勉強に効く 学べるマンガ100冊』 佐渡島庸平・里中満智子ほか著(文藝春秋)
世の中には、星の数ほどマンガがあります。本書では、マンガの達人たちがテーマ別に100作品を紹介しています。教科書よりも深く学校よりも楽しい、知力アップの最強ガイドを目指したそうですが、たとえば以下のようなことがマンガから学べるといいます。
●『源氏物語』の世界
●夏目漱石などの文豪エピソード
●フェルメールをはじめとする美術史
●秦の始皇帝時代の歴史
●お医者さんの仕事について
●農学部での学生ライフ
●報道されない原発事故の現場
●クラシック音楽のあれこれ
●敏腕スナイパーが見た最新世界情勢
●知られざる考古学ワールド
●大人が夢中になるワインのすべて
●日本の国技・相撲について
●生活保護の窓口で起きていること
●おいしい料理を作る方法
具体的な作品名を挙げると、1時限目の「文学」では、『あさきゆめみし』『月に吠えらんねえ』などが取り上げられます。
以下、「生命と世界」では『寄生獣』『銀の匙』など、「芸術」では『昭和元禄落語心中』『3月のライオン』など、「社会」では 『健康で文化的な最低限度の生活』など。
「職業」では『JIN―仁―』『東京トイボックス』など、「歴史」では『キングダム』『大奥』など、「戦争」では『総員玉砕せよ!』『アドルフに告ぐ』など、「生活」では『クッキングパパ』『イグアナの娘』など、「科学・学習」では 『ドラゴン桜』『宇宙兄弟』など、「スポーツ」では『キャプテン』『フットボールネーション』など。
そして最後の11時限目「多様性」では 『聲の形』『風と木の詩』など。他にも多くの作品が紹介されています。
わたし自身、知らないマンガがたくさんありました。読みたくなった作品が多く、アマゾンで大量に注文してしまいました。耳が不自由な女の子と周囲との関係性を描いた大今良時の『聲の形』などは説明文を読んだだけでも泣けます。アニメ映画も観ました。
わたしもこれまで多くのマンガを読んできましたが、いつの日か、『死を乗り越えるマンガ』という本を書きたくなりました。死の不安や死別の悲しみが軽くなるような作品を紹介するガイドブックです。
そこでは、手塚治虫『火の鳥』、楳図かずお『イアラ』、永井豪『デビルマン』、つのだじろう『うしろの百太郎』、諸星大二郎『孔子暗黒伝』、萩尾望都『ポーの一族』、近藤ようこ『死者の書』などを紹介しつつ、マンガの豊かな可能性を探りたいです。