五輪は世界最大の『まつり』
たくさんの感動を残し、リオ五輪が閉幕した。史上最多の205カ国・地域が参加し、個人資格での出場も含め1万1000人を超える選手が17日間の熱戦を繰り広げた。
個人的には男子柔道の全階級メダル獲得、女子バドミントンで金メダルに輝いたタカマツ・ペアの嬉し涙、女子レスリングで銀メダルの吉田沙保里選手の悔し涙が強く心に残った。
オリンピックは平和の祭典であり、地球規模の祝祭だ。数々のスポーツ競技はもちろん、華々しい開会式と閉会式は言語や宗教の違いを超え、人類すべてにとっての祭りであることを実感させるセレモニーだ。
オリンピックが人類の幸福のために、どれほどの寄与をしたかを数字で示すことはできない。ノーベル平和賞受賞者であり、第7回アントワープ大会の陸上銀メダリストでもあるイギリスのフィリップ・ノエル=ベーカーは、オリンピックを「核時代における国際理解のための最善のメディア」であると述べている。
古代ギリシャで生まれたオリンピア祭典は民族統合のメディアとして、利害の反する各ポリスの団結を導いた。現代のオリンピックは世界の諸民族に共通する平和の願いを集約し、共存の可能性を実証しながら発展を続けている。
2020年の東京五輪では、わたしは小笠原家茶道古流による「国際大茶会」の開催を計画している。古流とは豊前小倉藩に伝わる茶道の流派である。茶道は日本文化の粋であり、茶会ほど平和な「おもてなし」はない。ぜひ、東京五輪のプレ・イベントとして、国家や民族や宗教を超越した茶会を成功させたい。
リオ五輪の閉会式では、小池百合子・東京都知事が五輪旗を引き継いだ後、日本大会をPRする映像が上映され、マリオに扮した安倍首相が登場して場を盛り上げた。
4年後の東京五輪の開会式では、ぜひ北島三郎さんに「まつり」を歌ってほしい。オリンピックは世界最大の「まつり」だからである。