一条真也の人生の四季 『サンデー毎日』連載 44

親子で結婚式を体験する

いま、入籍のみで結婚式はしていない、いわゆる「ナシ婚派」が入籍者の約半数を占めている。その3大理由は「経済的事情」「さずかり婚」「セレモニー行為が嫌」だという。3位の「セレモニー行為が嫌」については、感謝の「こころ」を「かたち」にして届けるという婚礼本来の意味が伝わっていないからだろう。

 そこでこの夏、わたしが経営するホテルにおいて「婚礼本来の意味」を伝える新プロジェクトが始動した。
 タイトルは「親子でウエディング体験会」。地元の小学生とその親を対象に、経験豊かなウエディングプランナーを講師として、結婚式についての「あるあるクイズ」、また「チャペルウエディング」や「披露宴」などを通じ、結婚式の模擬体験を行ってもらった。
 さらにイベントのクライマックスでは、小学生全員に、一緒に参加している親御さんに対して「感謝の手紙」を読んでもらった。それは感謝の「こころ」を「かたち」にして届けることで、儀式の本質的な意義に、実体験を通じて少しでも触れてほしいと思ったからだ。
 イベント終了時には、参加いただいた感謝の気持ちを込めて、わたしから、参加者全員に「修了証書」を贈らせていただいた。
 講師を務めるウエディングプランナーの姿を見て、「この仕事をやってみたい!」というお子さんや、新郎新婦モデルを見て「いつかは、自分も花嫁さんに!」と思ってくれる憧れ派も出てくれたら嬉しい。
 さらにこの機会を通じて、「家族や兄弟、友達との絆」を感じてくれる子どもたちも出てくるかもしれない。 非日常的な結婚式だからこそ、今後も実体験を通じて「気づく機会」を提供していく必要があると考える。
 セレモニーホールで小学生を招待した模擬葬儀も行い、「いのち」の意味を問うことも計画している。
 日本人の美しい儀式を守るには、それを支える「こころ」のインフラづくりが大切ではないだろうか。