独言 全互協会員様へのメッセージ『互助会通信』連載 138

かまたまつり

 9月13日、わたしは京都府亀岡の「大本みろく会館」にいた。わたしが葬儀委員長を務めた「かまたまつり」がここで開催されたのである。
 5月30日、京都大学名誉教授で宗教哲学者の鎌田東二先生が逝去された。自身が神主でもあった鎌田先生の百日祭が「かまたまつり」で、先生の最期の願いは、「型にはまらない、思いっきり自由で、面白い、まつりのようなお別れをしてほしい」だった。
 当日、参加者全員には刷り上がったばかりの『満月交命 ムーンサルトレター』(現代書林)を頒布した。同書には、死の直前まで満月の夜に鎌田先生とわたしが交換し続けたWEB上のレターが掲載されている。
 784ページにも及ぶ大冊であり、わたしが参加者全員に謹呈させていただいた。
 「かまたまつり」の最初は、葬儀委員長の奉辞から。わたしは「わが魂の義兄 鎌田東二の御霊に捧げ奉ります」と前置きし、最後は「鎌田先生、あなたは本当にご自分の人生を全身全霊で生きられました。この場をお借りして、心から申し上げます。お見事な人生でございました!」と述べた。
 フィナーレでは、わたしは黄金の衣裳に先生のイメージカラーだった緑色の鉢巻き姿をあわせ、北島三郎の名曲「まつり」を奉唱した。
 イントロ部分で「初宮祝に七五三、成人式に結婚式、長寿祝に葬儀を経て法事法要。人生は祭りの連続でございます」と述べ、「今日は鎌田東二百日祭の『かまたまつり』ということで、めでたいなあ~。さあ、祭りだ、祭りだ~! 皆の衆、この世も、あの世も面白く行こうぜ!」と叫んだ。
 むすびの「これが日本の祭りだよ♪」の歌詞は「これが鎌田のまつりだよ♪」に替えた。この日、わたしは奉辞と奉唱の二つで「礼楽」を実現した気がした。