「互助会加入の義務化を!」
高齢化や単身化などを背景に、病院や施設に入る際の保証人や手続き、葬儀や遺品整理など、家族や親族が担ってきた役割を果たす人がいない高齢者が増え、誰が担うかが課題になっているという。
本人の死後、契約通りにサービスが提供されたかを誰かが確認する仕組みもないとのことで、深刻な問題である。
国が支援制度を検討するというが、国や行政だけでは問題の解決は難しいだろう。日本の超高齢社会は大きな危機に直面しているのである。
一例として、生活困窮者が亡くなった際の火葬代などとして支給される葬祭扶助費の総額が2021年度、全国で約104億円にのぼった。厚生労働省によると、100億円を超えたのは、統計の残る1957年度以降初めてだという。生活に困窮する独居高齢者や故人の引き取りを拒否する親族の増加が背景にある。多死社会における公的支援のあり方が問われている。
「親の葬儀は人の道」というのはわが信条だが、孔子が開いた儒教では、親の葬儀をあげることを「人の道」と位置づけた。同じく孟子は、人生の最重要事と位置づけている。儒教における「孝」とは、何よりも親の葬儀をきちんとあげることなのである。
韓国では「孝の啓蒙を支援する法律」が制定されているそうだが、これは日本でも見習うべきだろう。日本には親の葬儀を確実にあげることができる冠婚葬祭互助会というシステムがあるわけだから、いっそのこと、すべての国民に互助会への入会を義務づけてもいいのではないか。
いわゆる「互助会加入義務化」だが、義務教育や自賠責保険のようなものをイメージすると、わかりやすい。各自が入りたい互助会に入ることで、「わたしは親の葬儀を必ず行います」という証明になるのではないか。