独言 全互協会員様へのメッセージ『互助会通信』連載 115

社会を持続させる互助会

「SDGs」が国際的なキーワードになっている。「持続可能な開発目標」という意味だが、冠婚葬祭互助会は社会を持続させるシステムそのものではないだろうか。
結婚式は、夫婦を生み、子どもを産むことによって人口を維持する結婚を根底から支える儀式だ。一方葬儀は、儀式とグリーフケアによって死別の悲嘆によるうつ、自死などの負の連鎖を防ぐ儀式だ。冠婚業も葬祭業も、単なるサービス業ではない。それは社会を安定させ、人類を存続させる重要な文化装置なのである。
そして、互助会の根本理念である「相互扶助」は、社会の持続性により深く関わる。
貧困ゆえに入浴の習慣を知らない小学生がいるという。また、一日に一回しか食事ができない子どもがいるという。
その事実を知り、「なんとかしなければ!」と強く思った。
SDGsといえば、まずは環境問題が思い浮かぶが、人権問題も貧困問題も児童虐待も、すべての問題は根が繋がっている。その意味で入浴や食事がままならないお子さんを見て見ぬふりはできない。
わが社はこのたび、温浴施設を運営することになった。コロナ後、子どもたちに風呂に入ってもらい、その後、食堂でカレーライスをお腹いっぱい食べてもらうイベントを開催したい。それは、新しい互助会の在り方だとも思う。
七五三のような通過儀礼を挙げてもらえない子どもたちには、合同七五三なども考えてみたい。儀式の素晴らしさを知れば、将来は互助会との縁ができるかもしれない。
いずれはイベントでなく持続性のある活動も視野に入れたい。この考えに賛同して下さる方々には、ぜひ互助会に入会していただきたいと願う。その事業の志と継続性を支援するクラウド・ファンディング的な意味での互助会募集を構想している。