独言 全互協会員様へのメッセージ『互助会通信』連載 114

「サービスからケアへ」

 6月25日、パシフィコ横浜で講演を行った。「フューネラルビジネスフェア2021」シンポジウム内の講演で、「重要性高まるグリーフケアの意義と役割」の演題だった。
 冒頭、ついにスタートした「グリーフケア資格認定制度」の話から始めた。わたしは、全互協のグリーフケアPTの座長として、かねてから資格認定制度の発足に取り組んできた。まず、同資格者認定制度の背景にある、葬儀の施行に加え、サポートやケアなどのスキルを持った専門職(グリーフケア士)育成の重要性について解説した。
 続いて、「心のケアの時代」をテーマに論じた。「サービス」から「ケア」に焦点を当て、縦の関係(上下関係)であるサービスと横の関係(対等な関係)であるケアの本質を求め、その違いを説明した。
 また、「さまざまなケア」として、ヘルスケア、メンタルヘルスケア、コミュニティーケア、インフォーマルケア、ターミナルケア、緩和ケア、スピリチュアルケア、そしてグリーフケアについて詳説した。
 無縁社会に加え、コロナ禍の中にある日本で、あらゆる人々の間に悲嘆が広まりつつあり、それに対応するグリーフケアの普及は喫緊の課題であると訴えた。さらには、「ケアすることは、自分の種々の欲求を満たすために、他人を単に利用するのとは正反対のことであり、相手が成長し、自己実現することを助けること」などのケアについての見解を示し、講演を結んだ。
 葬祭業は、サービス業というよりもケア業である。他者に与える精神的満足も、自らが得る精神的満足も大きい。いわば「心のエッセンシャルワーク」とでも呼ぶべきだろう。グリーフケア士を含む冠婚葬祭業に携わる者が、人々の心を支えるケアワーカーとして、広く尊敬を集める時代は近いと信じる。