平成心学塾 文化篇 グランドカルチャーのすすめ #022

礼法

人生のベテランとしての高齢者には大きな務めがあります。それは、人としてやるべきこと、また、人としてやってはいけないことを若者や子どもに教えてあげることです。そのような人の道を「礼」と呼びます。
ケータイにおけるマナーを見てもわかるように、現代人のマナーそしてモラルは乱れに乱れきっています。自分の利益・欲望の充足のためには、平気で他人を殺すまでに社会は荒廃してしまいました。戦前までは、他人の子であろうと自分の子であろうと、「躾」や「礼儀」については国民をあげて積極的でした。それが戦後になって間違った意味での洋風化の中に「躾」「礼儀」の教育が置き去りにされ、その結果、現代の殺伐さを生み出す土壌となったのです。
日本には六百年来の伝統をもつ小笠原流礼法があります。お辞儀や歩き方といった「形」を通して「礼」の心を追求する礼法は、いまこそ、モラル・ルネッサンスが必要とされる現代社会において光を放つのではないでしょうか。
形の乱れは心の乱れなのです。