平成心学塾 文化篇 グランドカルチャーのすすめ #021

着物

日本人には着物が似合います。着物を着た日本人には色気があります。特に人生の年輪を重ねた高齢者の凛とした着物姿は美しく、若者はそれを見てあこがれ、いつか自分もあんなふうに着物を着こなしてみたいと思うのです。
着物の歴史をさかのぼると、小袖、袙、襖などとなり、古代の衣服に近づいていきます。着物タイプの衣服が成立したのは、だいたい奈良時代のころと言われています。現在、一般に着物という場合は、和服の中でも羽織、襦袢、コートなどを除く、いわゆる長着をさすことが多いようです。これは布地、絞様、染色に関係なく、前でかき合わせて一本の帯で留める一部式のスタイルのもので、表着として用います。
また、日本には浴衣の文化があります。さんざん洗いくたされて、綿がやわらかくなった浴衣を着ると体にやさしく、心が落ち着きます。適度に糊がきいた浴衣を着て、夏祭りや花火大会に行くときは、しみじみと「日本人でよかった」と思うものです。