平成心学塾 文化篇 グランドカルチャーのすすめ #018

詩吟

詩吟は何よりも健康法であるという人がいます。漢詩や俳句などに独特の節をつけ、節回し、発音、音程などを駆使して、詩歌の心を最大限に表現しようとするのが詩吟です。そして、詩吟の発声は原則として腹式呼吸で行います。腹式呼吸による声はなめらかで、メリハリのある声となり、響きのあるその声は詩心の表現には欠かせないものです。
その腹式呼吸とは横隔膜の運動であり、これによって自律神経の活動を促し、精神の修養と同時に身体の健康をもはかることができるというのです。また詩の内容によっては、先人たちに人間の生き方をも教えられる。このように、人間の喜びや悲しみ、美しさが凝縮されている詩歌を腹から声を出して朗々と吟じる詩吟は、精神的にも身体的にも非常に健康にプラスになるということです。
詩吟の歴史は平安時代にまでさかのぼり、江戸時代には武士のあいだで士気高揚のために広まりましたが、現代では歌謡曲や民謡を組み入れた「歌謡詩吟」なる新スタイルまで登場しています。