平成心学塾 文化篇 グランドカルチャーのすすめ #009

相撲

若者は「K―1」や「PRIDE」といった新しい格闘技に夢中ですが、高齢者には何と言っても相撲があります。相撲に似た格闘技は古くから世界のいたるところで行われていましたが、日本でも「古事記」の中に、建御雷神と建御名方神が出雲の国をかけた力競べをして、建御雷神が勝ったという記述があります。これが相撲の起源とされますが、「国ゆずり」のように重大な事件がこれによって決せられたということは、相撲が一種の神占いであったことを示しています。
時代が進むと相撲はいつしか闘いよりも、豊作を願い神に奉納する神事として、また余興として取られるようになりました。『日本書記』によると、紀元前642年皇極天皇が百済の使者をもてなすために宮廷の兵士を召集して相撲を取らせたとあります。エンターテインメトとしての相撲はこうして始まりました。
力士は「力人」と呼ばれ、その頂点である横綱は「日の下開山」といって霊力をもつとも言われます。横綱の土俵入りは魔術的な行為なのです。