平成心学塾 文化篇 グランドカルチャーのすすめ #010

落語

読んで字のごとく「オチを語る」ものが落語です。話が最高に盛り上がったところで、ストンと落とされて大笑い。笑うことが気持ち良いのはいつの時代も変わりません。
「一怒一老」という言葉があります。一回怒ると一歳老けるという意味です。逆に「一笑一若」、つまり、一回笑えば一歳若くなるというのです。別に「老い」よりも「若さ」を良しとする必要はありませんが、たしかにストレス解消法としては「笑い」は絶大な力をもちます。笑いのない生活は、無味乾燥で楽しくも面白くもありません。笑うことは脳を刺激して、元気にさせる効果があるのです。
落語の起源は安土桃山のころで信玄や信長などの戦国大名もからんでいますが、いわゆる古典落語の多くは江戸から明治の時代に成立しました。そこには横丁のご隠居がよく登場し、かなり尊敬されています。若者たちが相談したり、からかったりと、いわば情報コミュニティの中心でした。落語は「好老社会」である江戸を支える文化だったのです。