始めるより、続けるのがむずかしい
子曰く、回や其の心三月仁に違わず。其の餘は則ち日月に至るのみ。
孔子の弟子の顔回は、長い間にわたって、その心が仁の道から外れることはありませんでした。でも他の者たちは、月に一度、仁の心を思い出す程度で、心が離れてしまう。という孔子の言葉が論語には綴られています。
わたしたちふつうの人間は、立派な心がけを誓っても、なかなか、長続きしません。人に思いやりや愛情をもとうと思っても、ちょっと嫌なことをされると、すぐに憎んでしまったりします。あるいは「絶対にこのことを成し遂げるんだ」と決意しても、少しつらくなると、「もうやめた」とか、「今日はひと休み」なんて、自分を甘やかしたりします。いかに長く続けられるか、どう取り組んでいくかが、その後の人格形成の別れ道といっていいかもしれません。
「始めるより、続けるのがむずかしい」とよくいいます。いざ始めても途中で嫌になってしまうことはよくあります。でも我慢して「今日もやれた」「今日も大丈夫だった」という毎日のちょっとずつの積み重ねが、やがて「もうここまで続いた」になって、もっともっと、大きなことにつながっていくのです。