はじめての論語 『リトル・ママ北九州』連載 第01回

ようこそ論語の世界へ

 みなさんは、『論語』という本を知っていますか。2500年前ほど昔の中国に孔子という人がいました。孔子は「人が幸せに生きるためには、どうすればいいか」ということを考えた人で、孔子とその弟子たちの言葉や行動をまとめた本が『論語』です。

『論語』は日本人の心にも大きな影響を与え、とくに江戸時代では武士階級だけでなく、庶民の間にも広く普及しました。なぜ、それほどまでに日本人は『論語』を学んだのでしょうか。それは、『論語』に書いてある教えを自分のものとすれば、「君子」になることができるからです。

『君子』というのは立派な人格者をさす言葉ですが、これは生まれつきなれるものではありません。努力すれば誰でもなることができる人、それが君子なのです。『論語』で、小さなころから『人の道』を学ぶことで、まわりのお友達との付き合い方、思いやりの心を養うヒントが得られることと思います。赤ちゃんが成長するにはミルクが必要ですが、『論語』は言わば『人間』が育つ『こころのミルク』なのです。

 これから毎号、『論語』に登場する孔子の言葉をわかりやすく紹介していきます。ぜひ、お子様と『論語』の教えを共有してみてください。そして、お子様が多くの人に愛され、社会に必要とされる人間に成長できるよう一緒に学んでいきましょう。