はじめての論語 『リトル・ママ北九州』連載 第10回

自分だけが正しいわけじゃない

子曰く、勇を好むも貧をにくむは乱なり。
人にして不仁なる、これをにくむこと、 甚だしきは乱なり。

血気の多い人は、お金がなくて困ると、つらい逆境に耐え切れず、犯罪を犯しやすくなるというのです。そして、もともと「徳」を身につけていない人は、自分のことは棚に上げて、全部を他人のせいにして、「あいつが悪い」と乱暴を働くというのです。

これは極端な例ですが、こういうこころの動きはだれにでもあります。
でも、りっぱな人は、そんなときに慎重に行動します。 貧乏や理不尽なことをきらう気持ちはわかりますが、行き過ぎてしまうと、取り返しがつかないことになってしまいます。

そんな気持ちになったとき、「じゃあ、自分にもそんなところはないのかな」と見直すと「自分だけが正しいわけじゃないな」と思えてきて、いままでより深く考えることができるのです。

まず自分の行いを良くすること。人と誠実に付き合うとは、こういうことです。そのように毎日、少しずつ考えていくようにしたいものですね。

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