倹約の精神を育もう
子曰く、約を以て之を失う者は鮮なし。
「つつましく生きる」というのは、「あれもほしい、これもほしい」という物欲(物を欲しがる気持ち)をなくして、「どうせ使わない物はいらない、必要な物だけあればいい」という気持ちで生きることです。これを「倹約の精神」といいます。
もうひとつは、自分の「分」(やるべきこと)をわきまえて、余計なことに出しゃばらないで生きることも、「つつましい生き方」といいます。
でも孔子さまなら、「必要な物は買ってもらいなさい。ただし、なぜほしいのか、ちゃんとお父さん、お母さんに説明できるようにしておきなさい」というでしょう。あまりに質素すぎると、生きて行く楽しみがありません。ですから「なんとなくほしいだけのものはいらない」と決めて、「でも、これがあると便利だな」「あると楽しいな」と思うものがあったら、「お願い!」と頼むことにしましょう。
「いるもの」と「いらないもの」とがきちんと分けられれば、自分のなかに手に入れるものの基準ができて、むだづかいをすることもなくなることでしょう。