一条真也のハートフル・ライフ 『終活WEBソナエ』連載 31

死ぬまでにやっておきたい50のこと

一条真也です。

 わたしの最新刊『死ぬまでにやっておきたい50のこと』(イースト・プレス)が刊行されました。「人生の後半を後悔しないライフプランのつくり方」というサブタイトルがついています。
■最期の瞬間を清々しく生きるために
 死の直前、人は必ず「なぜ、あれをやっておかなかったのか」と後悔するといいます。 さまざまな方々の葬儀のお世話をさせていただくたびに耳にする故人や遺族の後悔の念…。そのエピソードを共有していけば、すべての人々の人生が、今よりもっと充実したものになるのではと考えました。
 わたしがいろいろな方の最期に立ち会い、「生」と「死」に関する古今東西の文献をひもといて書きとめてきた経験を踏まえて考えた「最期の瞬間を清々(すがすが)しく迎えるための50のヒント」は以下の通りです。
01 「第二のライフプラン」を考える
02 何かを犠牲にしてでも好きなことをやり続ける
03 「人生の50のリスト」をつくる
04 人生に「締め切り」を設定する
05 「いつ死んでもいい」という覚悟を持つ
06 残りの人生を「日単位」で考える
07 年齢を意識せず新しい趣味をつくる
08 成功した同級生をライバルと考える
09 学校に再入学する
10 「書斎」を持つ
11 過去に読んだ名著を読み返す
12 「こころの世界遺産」といえる本を読破する
13 地理や歴史を学んでから旅行する
14 観劇や展覧会ではガイドを聞く
15 テレビドラマを人生に重ね合わせて観る
16 目的意識を持って写真を撮る
17 「はひふへほの法則」を実践する
18 価値観の合う仲間に出会う
19 趣味は人を楽しませるためにやる
20 自分は「高齢者のなかでは若手」と考える
21 自分だけの「新しい哲学」を持つ
22 年齢差を障害と考えない
23 ロマンを感じる場所に行く
24 自然の絶景に触れて「自分の小ささ」を知る
25 スポーツ観戦で「強い人間」の迫力に触れる
26 新しい飲食店を開拓する
27 「安倍総理が食べたカツカレー」を食べる
28 洋服は「量より質」で選ぶ
29 何歳になっても恋をし続ける
30 「もういいか」をやめる
31 「恥ずかしい」とは考えない
32 モノに執着しない
33 好きなことを成功するまでやり続ける
34 「死に際」にお金を惜しまない
35 「お遍路さん」で日本の心に触れる
36 お墓参りをして「支えられていること」に感謝する
37 先に亡くなった大切な人に手紙を書く
38 個人的成功より社会的貢献をアピールする
39 「伊勢神宮」の荘厳さに触れる
40 「ありがとう」を口ぐせにする
41 お世話になった人に会いに行く
42 子や孫と料理をつくる
43 欧米の大富豪にならって「寄付」をする
44 自分の葬儀に誰が来ているかを想像する
45 家族に迷惑をかける
46 年を取ることは「神に近づくこと」と考える
47 「長寿祝い」を盛大に行う
48 生前に自分の葬儀の計画を立てる
49 「自然葬」を選択肢に入れる
50 死とは「宇宙に還ること」と考える
■渡部昇一先生との出会い
 死ぬまでにやっておきたい…。このテーマを聞いて、まず思い出した方がいます。「現代の賢者」と呼ばれる上智大学名誉教授の渡部昇一先生です。渡部先生は本書にも過分な推薦文を寄せていただき、心より感謝しています。
 2014年、長年の願いがかない、私淑する渡部先生との対談本『永遠の知的生活』(実業之日本社)を出版することができました。「余生を豊かに生きるヒント」というサブタイトルがついています。渡部先生のお話は本当にわたしの今後の人生を豊かにしてくださるものばかりでした。
 対談で書斎の話題になったとき、渡部先生は次のようにおっしゃいました。
 「書斎の新築を考えたのが、実は15年くらい前のことです。年齢的には65歳の頃ですね。わたしのイメージした書斎は、15万冊が収容できるものです。都内にこれだけのスペースを作るとなると、それなりの費用がかかります。若干の蓄えはありましたが、やはり借金をしないと実現しません。65歳を超えて、蓄えを吐き出し、さらには借金までする。常識的に考えれば、たかだか書斎を作るのに、そんなことをする必要はない、と思われると思います。
 他人というか、家族もそうかもしれませんが、『たかが書斎にそんな投資をして』ということです。でも、私にとって楽園というべき書斎の新築は、知的生活のために欠かせないし、95歳まで生きようと思う人間にとっては譲れないものでした」「寿命が来て、新築した書斎に仮に1日しかいられなかったとしても、わたしは実行したでしょうね。幸いなことに、そうした不幸は訪れず、今、書斎で最高の時間を過ごしています」
 渡部先生は95歳まで現役で頑張られるということです。50歳を超えたわたしなど、やっと半分にさしかかったばかりです。本書で紹介した『50のこと』は、わたしが中年から初老の入り口にさしかかり、その心得のようなものを書き綴(つづ)りました。最後に、わたしもいつの日か渡部先生のように、心から満足できるような書斎をつくりたいと思っています。