『ギリシャ神話』
人間は神話を必要とする動物だ。
神話とは宇宙の中に人間を位置づけることではないだろうか。
世界中の民族や国家は自らのアイデンティティーを確立するために神話を持つ。そして、世界中の神話の中でも最も有名なのが『ギリシャ神話』である。
ヨーロッパ人の「こころ」は『聖書』と『ギリシャ神話』から出来ていると言ってもよい。
ギリシャ神話は、古代ギリシャの諸民族によって紀元前15世紀頃に誕生したとされる。古代ギリシャ人はヨーロッパの中でもとりわけ素晴らしい神話を創造した。
そして、神々や英雄や人間や動物についての驚くばかりの物語を指すときに現在用いられている「神話」という呼び名を生み出したのも、古代ギリシャ人である。
その影響力は現代人の心の奥底の無意識にまで及んでいる。神話は架空の物語ではあっても、明らかに真実を描き出しているからである。
ローマ人は、ギリシャ神話をそっくり借用し、自分たちのイタリアの神をギリシャの神と同一視することが多かったとされる。ギリシャ神話とローマ神話の融合は進み、紀元前2世紀にはそのプロセスが完了したという。
ギリシャ神話には「オリュンポス十二神」が登場する。主神ゼウスをはじめ、結婚の女神ヘラ、海の神ポセイドン、愛の女神アフロディテ、酒の神ディオニュソス、鍛冶の神へパイストス、戦の神アレス、豊饒の女神デメテル、純血の女神アルテミス、戦の女神アテナ、幸運の神ヘルメス、音楽の神アポロンがその顔ぶれである。
小倉にある松柏園ホテルのガーデンには、その等身大像が一同に並んでいる。十二神すべてが等身大で揃うことは日本では初めてとのことで、大きな話題となった。